個人的に期待された夏季アニメの「レガリア The Three Sacred Stars」ですが、4話で一旦放送を終了するもようです。
打ち切りではなく、クオリティに納得がいかないという理由から制作時間に余裕を持たせる意図で急遽決まったようです。

■レガリア The Three Sacred Stars公式HP
http://regalia-anime.com/
残念ではありますが、制作サイドの意図しない低クオリティな状態のままダラダラと続けられるよりも、遥かに良いと思います。
秋ごろ放送再開とのことですので、今は期待に胸を膨らませながら待つことにします。
制作サイドの言う「意図しないクオリティ低下」とは何なのか気になるところです。
憶測として最有力なのは、海外の下請けに回したカットがどれも使い物にならなかったのではと思われますが、万策尽きるにはそれだけでは足りません。一体何があったのでしょう?
■追記
主に変更される個所について、プロデュースを務める株式会社インフィニット社長・永谷敬之氏によりますと、
永谷「今回の判断は主に作画面・演出面・音響面に渡る部分でクオリティーコントロールを再度行う事を主眼にしてます。なので、作画面のみのリテイク作業とは違います。ご覧頂いていたストーリーは基本そのままですが、一部カットが新作されていたり、見え方が変わってたりします」
とのこと。
考えらえる原因としては、やはり予算の問題だと思われます。作画面・演出面・音響面ともなれば、これはもう、明らかにキャパシティオーバーでしょう。
限られた予算の中でスタッフや協力会社などを集めなければなりませんが、現場の要求を満たす人選なども含め、多くの不安と不満要素を含んだ中、妥協に妥協を重ねながら制作を進めていたのでしょう。
しかし、現在放送されているアニメのほとんどが、劣悪な状況下でも妥協しながら制作が行われている訳でして、何もレガリアだけが特別酷い状況ではないのです。
発言力のある誰かさんが、過度な要求からスタッフを守るために立ち上がり、ちゃぶ台を盛大にひっくり返したのだと想像できます。
ようするに、(若い)スタッフが限られた時間内に要求された水準の物が作れないのであれば、時間的余裕を持たせることで、一定水準のものを作らせようって事です。
予算についてはこれ以上増える事がないため、誰かが先頭切って「時間をくれ」と発言するしかない状況だったのでしょう……。
アニメ「SHIROBAKO」でもプロデューサーを務めた永谷氏は、同作品にてこう言っています。
永谷「負けはPの責任、勝ちは現場の手柄」と。名言ですね。

(C)「SHIROBAKO」製作委員会
レガリアの空いた放送枠で、もう一度SHIROBAKOを見直すのも良さそうです。秋まで……。
■余談
シナリオ面での話になりますが、ゲームではシナリオライターが製作途中で消息を絶つことがよくあります……。
アニメ制作現場で脚本家が突然消息を絶つケースは、私の知る限りでは見たことがありません。
(叩かれるのが嫌でTwitterのアカウントを削除したくらいでは、バックレたとは言いません)
ゲームシナリオライターの報酬は、余程有名なライターでもなければ、イラストレーターの10分の1程度です。
一文字当たり0.2円~0.8円(ファイル容量であれば一文字1バイト相当)という現実を突きつけられ、労力の割りにお金にならないために途中で投げ出す人が結構います。
雇用については「請け負い」になりますので、成功報酬型の自営業になります。
しかし、若いライターほど在宅副業的なアルバイト感覚で仕事をしているせいか、仕事への責任感が生まれにくく、プロ意識も中々育たないようです。
ゆえにライターは専業では食べていけませんので、Wワークやトリプルワークが当たり前になっています。
私もトリプルワークです。(高校勤務、パソコン教室講師、ライター業)
印税が報酬の小説家とは大きく違います。印税は印刷部数の分だけ発生し、売れた冊数ではないため、新刊が出れば出るほど小説家の方がお金にはなります。
例え10冊しか売れなかっても、1万冊刷ったのであれば1万冊分の印税が支払われます。
また、自費出版ではなく、名の通ったレーベルの出版社であれば、売れ残った在庫の管理と倉庫代についても、作者は責任を負うことがありません。
ライトノベルの新人賞応募が多いのも納得できますし、Webサイト「小説家になろう」への投稿が盛んに行われるのも理解できます。
テーマ:2016年新作アニメ
ジャンル:アニメ・コミック
